転職したいのに“動けない人”に共通する3つの思考ブロック


今回は、転職したいけど、行動できない人の共通点3つについて解説します。
「このまま今の仕事を続けていいんだろうか…」
「転職したい。でも、なぜか一歩が踏み出せない」
そんな思いを抱えたまま、モヤモヤとした日々を過ごしていませんか?
実はこれ、あなただけじゃありません。
私自身も、過去に4回の転職を経験してきましたが、毎回「怖さ」や「不安」と戦ってきました。
そして今、キャリアコンサルタントとして1000人以上の転職相談に関わる中で、“動けない人”には共通する3つの思考のクセがあると感じています。
この記事では、その3つの思考ブロックと、その乗り越え方について、私の経験談も交えながらお話しします。
① 「どうせ自分には無理」という“自己否定グセ”
転職相談で最もよく聞く言葉の一つがこれです。
「どうせ自分なんかを雇ってくれる会社なんてないと思うんです…」
「スキルも資格もないし、他の人と比べて見劣りする気がして…」
まるで自分で自分にブレーキをかけてしまっている状態。
実は私自身も、20代で4回の転職を経験した後、同じような思考にハマっていました。
「また辞めたらどうしよう」
「この経歴じゃ、誰にも相手にされないかも」
そんなふうに、自分の過去を“失敗の証拠”としてしか見られなかったんです。
でもあるとき、自己分析を通じて気づきました。
「短期離職も、挑戦してきた証なんじゃないか」って。
結果的に、その経験が今、キャリア支援という仕事に生きています。
大事なのは、「完璧な経歴」ではなく、「自分の歩みをどう意味づけるか」です。
実際、リクルートの調査でも、転職に不安を感じている理由の第1位は「自分のスキルや経験に自信がない」というものでした。
転職に不安を感じる理由(複数回答) | 割合 |
---|---|
自分のスキルや経験に自信がない | 46.1% |
転職先が見つかるか不安 | 41.7% |
面接などでうまく話せる自信がない | 30.2% |
出典:リクルート「転職実態調査2023」
自信がない状態からスタートする人の方が多いのです。
だから、あなたが今不安を感じているのは、ごく自然なことなんです。
② 「今はタイミングが悪い」と動けない“現状維持バイアス”
次に多いのが、「今は動く時じゃない」という声です。
たとえばこんなふうに考えていませんか?
- 「もう少し実績を出してから転職したほうがいいかも」
- 「今のチームに迷惑がかかるし、もう少し頑張らないと」
- 「今より悪くなるリスクが怖い」
こうした心理の背景には、“現状維持バイアス”という人間の習性があります。
つまり、変化=リスクと捉えてしまい、行動を止めてしまうんです。
人間は本能的に「安定」を求める生き物なので、これはごく自然な反応なんですよね。
でも…「今のままでいたら、何が変わるんだろう?」と考えてみてください。
私が3社目で転職を迷っていたとき、当時の上司の姿を見て、「10年後、あのポジションにいる自分を想像できない」と感じたのがきっかけで決断しました。
行動のきっかけは、いつだって小さな“違和感”です。
実際にデータでも出ています。
「今は忙しいから」「タイミングを見てから動こう」と考えている人も多いですが、実際に動けていない人はたくさんいます。
転職を考えてから実際に行動するまでの期間 | 人数割合 |
---|---|
1ヶ月以内に行動した | 18.4% |
3ヶ月以内に行動した | 24.9% |
半年以上動けなかった | 33.2% |
出典:doda「転職動向調査2023」
つまり3人に1人以上が半年以上“転職を考えてるだけ”の状態。
でも、その間にも年齢や体力、職場環境は刻々と変わっていきます。
③ 「やりたいことがない」と思考停止する“理想主義”
「やりたいことが明確じゃないから、転職に踏み出せない」
これもよくある声のひとつです。
でも、私が見てきた中で、“やりたいことが明確になってから転職した人”って実はごくわずかです。
ほとんどの人は、
- 「今の環境がしんどい」
- 「もう少しこう働きたい」
- 「やりたくないことが明確になった」
そんな“違和感”や“不満”をきっかけに動き始めています。
完璧な理想の仕事が、最初から見つかることなんてめったにありません。
私自身も、人材業界に入ったきっかけは「人の話を聞くのが好き」くらいのぼんやりした理由でした。
でも、実際にやってみて「向いてるかも」と気づけたし、資格を取って、今のキャリアに繋がっています。
だからこそ、今やりたいことがわからなくても大丈夫。
まずは「やりたくないこと」や「興味がある分野」から棚卸ししてみましょう。
「やりたいことがないから動けない」と悩む方も多いですが、実は“やりたいこと”で転職する人は少数派です。
実際のところ理由のほとんどは、これです。
転職理由(複数回答) | 割合 |
---|---|
人間関係を変えたい | 32.7% |
年収・待遇を上げたい | 27.1% |
成長・スキルアップしたい | 18.6% |
やりたい仕事が見つかった | 12.4% |
出典:doda「転職理由ランキング2023」
ほとんどの人が「イヤ・モヤモヤ」から行動を始めているんです。
“理想”じゃなくても、“違和感”があれば、それは立派なきっかけになります。
“動けない”のは、意志が弱いからじゃない
転職に踏み出せないのは、性格や意志の弱さの問題ではありません。
あなたが悪いわけじゃなく、考え方のクセに縛られているだけなんです。
もう一度、ここまでの3つの思考ブロックを振り返ってみましょう。
思考ブロック | あなたの足を止める原因 |
---|---|
自己否定グセ | 自分には価値がないと感じてしまう |
現状維持バイアス | 変化に対する不安や恐怖が先に立ってしまう |
理想主義・完璧主義 | 「やりたいことが決まってから」と考えてしまう |
どれかひとつでも思い当たるなら、まずは「この考えに縛られていたのかも」と気づくことから始めましょう。
最初の一歩は、“小さな行動”でいい
「いきなり転職活動を本格スタートしよう」なんて思わなくて大丈夫。
まずは、こんな小さな行動からでOKです。
- 転職サイトに登録してみる
- 気になる会社の求人を眺めてみる
- 自分のキャリアの棚卸しをしてみる
- 友人や先輩に相談してみる
- キャリアのプロに話を聞いてみる
行動してみると、不思議と気持ちが前向きになります。
“止まっている時間”こそが、不安を膨らませるんですよね。
最後に|あなたはもう、動き出す準備ができている
この記事を最後まで読んでくれたあなたは、すでに“動こうとしている人”です。
本当に動けない人は、この記事すら読もうとしません。
だから、大丈夫。
今感じている違和感や不安は、あなたが“変わりたい”と思っている証拠です。
あなたの人生を動かせるのは、あなただけ。
私は、そんなあなたの「最初の一歩」を全力で応援したいと思っています。